他の人がやらないようなことにチャレンジしよう
㈱寺原自動車学校 代表取締役社長 片桐英夫
【プロフィール】 熊本市出身。1964年12月29日生まれ。57歳。 熊本県立済々黌高等学校、明治大学政治経済学部卒。 熊本県指定自動車教習所協会副会長 済々黌同窓会幹事・明治大学校友会熊本県支部幹事長
‐貴社の事業内容を教えて下さい。
自動車運転免許取得のための、教習・講習および試験の実施が柱です。特に本校・テラバル自動車学校は公安委員会の認定を受けた「指定教習所」であり、スタッフや設備・運営等に関して、公的に求められる基準を満たしていると認められています。そして本試験の技能試験を受験できるため、テラバルを卒業したお客様は、運転免許試験場での技能試験が免除されます。 また昔は普通車と二輪のみでしたが、現在は扱う範囲を広げています。そのため普通二種や準中型、大型特殊など様々な車種の運転免許取得にご活用いただけます。講習業務も高齢者講習・違反者講習と幅広く、また地域学校や企業のニーズに応じ、交通安全・安全運転講習(研修)も実施しています。 |
スタッフが「仕事を楽しんでいる」から
お客様も楽しんでくださり数も増えている
‐御社の特長を教えて下さい。
少子化で免許を取る人口が減っているにも関わらず、スタッフの頑張りや経営戦略、お客様からのご紹介やクチコミにより、ご入校いただく方が他校以上に増えていることです。 また多くのお客様から「テラバルは楽しい、明るい」、時には「卒業したくない」とまで言って頂けること。これはスタッフみんなが「仕事を楽しんでいること」により、お客様の満足度向上につながっているのだと思います。そしてその結果、先に言った「お客様増」にもつながっているのだと。 最後に、上述した『T1パーク』というメディアを持っていることです。元はウェブだけでしたが、編集経験のあるスタッフとの出会いや入社して頑張ってくれたスタッフのおかげで、2015年からマガジンも発行できるようになりました。熊本の多くの学生に喜んでいただける、そんな雑誌を自前で発行しているというのが自慢です。 |
T1パークを「学校」「企業」と「学生」
を結び付ける媒体に
‐今後の展望を教えてください。
テラバルの雰囲気を、さらに良いものへと変えていきたいですね。そのためにはハード面とソフト面、両方を変えないと実現できません。以前、社員旅行で行ったハワイの方々のホスピタリティを見習い、お客様にとってより気持ちの良い自動車学校にしていきたいと思っています。 また『T1パーク』をこれまで以上に、多くの企業にも注目してもらえるメディアにすること。ここ数年で定着してきたとは思うのですが、もともとは学生とその保護者向けにスタートしたものです。特にマガジンはローカルの紙媒体が減っている中、今後より地域に貢献できるよう、熊本の「学校」「企業」と「学生」を結び付ける雑誌にもしていけたらと思います。さらに企業の特色を学生に深く知ってもらうことで、就職する学生と企業のミスマッチを減らすような、そうしたお役にも立てる媒体にできればと思います。 |
学生時代、なかなかできないことを
経験することができた
‐ご自身が学生時代、一番頑張ったことを教えてください。
済々黌高校時代は、とにかく水球を頑張っていました。当時の水球部は全国大会で何度も優勝するような強豪でしたが、私が入った年はちょうど九州の他の高校も強くなった頃で、初めてインターハイも国体も行けない結果に終わってしまいました。その後も県で優勝することはあるものの、全国には行けなくなってしまったのが悔しいですね。 なお今も続く伝統として、OBたちが楽しそうに練習の指導に来る、そんな部でした。だから私も早くOBになるのが夢で、名プレイヤーにはなれなかったけれどその分、名OBになれたらと思っていました。ですから東京の大学へ進学したのに、長期休暇が始まるとすぐに帰省して、部に顔を出していたものです。そんな済々黌水球部とのつながりは、今でも強く残っています。 進学した明治大学では『熊本県人会』に所属しました。熊本出身者がただ集まるだけでなく、毎年、春夏を通してコンサートを開催したりもする会です。地元で開催する際には全てを自分たちでやり、先輩がいる会社へチケットを売りに行ったり、パンフレットを作ったりといったことも学生だけでやりました。大学では、それが一番頑張ったことですね。なお、県人会ルートで国会議員の「秘書のお遣い」のバイトなど、なかなかできないことを経験させてくれる会でもありました。 |
「人の一生の安全」に関われる、それが何よりも大きなやりがい。
社会の交通安全に貢献することも、
大切な存在意義 ‐普段、どんな仕事をしてるんですか? 自動車学校のインストラクター(教習指導員)として、免許取得を希望されるお客様への教習指導をメインとしています。教習を職務とするには資格が必要なんですが、私は普通自動車に加え準中型自動車、および普通二輪の資格を持っています。 また自動車学校は、免許取得のサポートだけではなく、社会の交通安全に貢献することも大切な存在意義の1つです。ですから、たとえば地域の小学校に出向いて自転車の安全講習をしたり、企業向けに安全運転の講習を実施することもあります。また免許はあるものの何年も車に乗っていない方を対象にした、ペーパードライバー講習も担当しています。 |
お客様に教え教えられ、
お互いに高め会える仕事 ‐仕事のやりがいを教えてください! まずはもともと、車やバイクが好きなので自分に合っているなと思います。それと車の免許って、一生使うものですよね。そんな「人の一生の安全」に関わる仕事をしているということが、何よりも大きなやりがいだと感じています。 また学生様からご高齢の方まで、年齢・職業とも本当に幅広いお客様が入校されます。そんな様々なお客様と教習を通してコミュニケーションを取るうちに、いろんなことを教えていただけるのも魅力です。大学生の間で流行っていることとか、ある職業の方はこういうところにこだわりがあるとか。特定の人とばかり付き合う仕事もある中、いろんな価値観に触れることのできるこの仕事は、自分の視野を広げてくれます。そしてこちらが教えるだけでなく、お客様からも教えていただく、そしてお互いに高め合うことのできる仕事だと日々、感じています。 テラバルは特に卒業生が多いので、本当にいろんな人とのつながりができ、そのこと自体も大きな宝物ですね。たとえばプライベートでゴハンを食べに行ったら、スタッフの方がたまたま卒業生で、サービスしていただいたり。あるいは自分のお客様だった方が関わっているということで、こちらからお店を利用させていただくこともあります。ちなみに自分の場合、担当したお客様の顔は基本、覚えています。 |
傷が付きやすい二輪は毎日整備。全ては教習のため、お客様のため
お客様と共に学び、成長する。
それがインストラクターの醍醐味 -仕事のやりがいを教えて下さい! 同じ指導をしても、全ての方が同じように上達されるとは限りません。そうした様々なお客様に対して、自分はとにかく一生懸命対応するようにしています。あれこれ計算できるタイプではないので、とにかく精一杯の熱意を持って、その時自分がやれる限りの、最高の指導をさせていただく。 そうするうちにお客様の運転が上達し、同時進行で私自身も、指導の上達を実感する時があります。そんな風にお客様とまさに二人三脚で、共に学び共に成長していくことができる、それがインストラクターの醍醐味かなと思います。 また「平江さんのおかげで(運転が)出来るようになりました!」とお客様に言っていただけることがあります。さらには卒業検定や免許センターでの本試験に合格したお客様がご報告に来られることもあり、そういう時は「この仕事をやってて良かったな」と素直に嬉しいですね。なおテラバルは、同じお客様を同じインストラクターがずっと指導する「担当制」を取っています。そうは言っても繁忙期などは担当外の方に教えることもあるんですが、ほんの数回しか指導しなかった方が卒業後、わざわざ自分を訪ねて来られることもあるんですよ。 |
学生時代、部活動と接客業は
経験しておいて損はない ‐学生時代の経験で、今の仕事に役立っていることは? 体が弱かったこともあり、エンジンが付いた乗り物は昔から大好きでした。そのため高校時代から原付を乗り回し、大学ではモーターサイクル部に所属。バイクや車とはとにかく深く関わってきたので、そうした経験はやっぱり、この仕事に役立っていますね。技術的なことはもちろん、好きなバイクや車の話で盛り上がったり。不幸にもお客様が事故に遭われた時など、適切なアドバイスができる自信もあります。 また大学時代は飲食店でバイトしていたんですが、この時の経験も良かったなと思いますね。自動車学校と同じように老若男女、日々様々なお客様にご対応するお店でしたから。そういう自分の経験から言うと学生時代、部活動と接客業は経験しておいて損はないと思います。日々いろんなタイプの人と関わることで、必ず学べるものがあるはず。私が今もテラバルで学んでいるように、ですね。 |
編集後記
崇城大学 薬学部 5年生 山本秀麗さん
・学生時代は他の人が経験できないようなことをした方がいい。 ・様々な人間関係(出会った人との関わり)を今でも大切に持っていること。 ・やりたいことが本当に熊本ではできないのか、働く場所ではなく自分がやりたいこと基準に働く場所を考えるということ ・インストラクターの業務は、実車教習、学科教習を行うだけではなく様々なことを行っていること ・学生時代の野球のお話から、何か一つのこと、やりたいことを若いうちに頑張ることが次のステップへと繋がるんだと考えさせられた。・学生時代の部活動の大切さ(礼儀等社会に出たときに大切になる人間性等) ・何が大切か、相手にどう伝えればきちんと伝えられるか等考えながら仕事をする大切さ |
(株)寺原自動車学校
〒860-0076 所在地 熊本県熊本市中央区壺川2丁目3-78 電話番号 096-353-2111 設立 1959(昭和34)年7月 資本金 1,000万円 従業員 105名 売上高 8億925万円(2020年度) 平均年齢 39歳 |